院長のブログ

向精神薬の処方適正化に取り組みます。

増やすはよいよい、減らすはこわい

飲む薬の量が増えてしまったら、減らせばいいだけじゃないですか?

単純にそう言い切れたらどれだけ楽なことでしょう。

それができたら、向精神薬の多剤大量投与が問題になることなんてないでしょう。

一旦足してしまったら、引くことが難しいのが向精神薬なのです。

仮に単剤だとしたら、時間を掛けて少しずつ減らせば上手く行くことは多いです。

それでも調子が良い時の適量と調子が悪い時の適量は異なりますから、ぎりぎり適量のところで収まっていたとしても再発するリスクはつきまといます。

これが多剤だとしたら、さらにややこしくなります。

なぜなら薬同士が影響を及ぼし合うからです。

正確には薬同士と言うより、薬を代謝する酵素の影響が大きいのですが。

ある薬を減らしたり、中止したりすると、別の薬の血中濃度が上がったり、下がったりする可能性があり、それが2つ、3つと増えると、もはやどれがどう効いているのか訳が分からなくなります。

それにより脳内のホルモンバランスが崩れてしまいますから、脳にとって非常にストレスフルな状況になることが想像されます。

血中濃度が高くなり過ぎて副作用が出ても困りますし、低くなり過ぎて再発しても困ります。

薬を減らすのはリスクを伴い悩ましいことがありますが、こわいながらも減らしゃんせ、と行きますかどうか。