院長のブログ

向精神薬の処方適正化に取り組みます。

増やすはよいよい、減らすはこわい

飲む薬の量が増えてしまったら、減らせばいいだけじゃないですか?

単純にそう言い切れたらどれだけ楽なことでしょう。

それができたら、向精神薬の多剤大量投与が問題になることなんてないでしょう。

一旦足してしまったら、引くことが難しいのが向精神薬なのです。

仮に単剤だとしたら、時間を掛けて少しずつ減らせば上手く行くことは多いです。

それでも調子が良い時の適量と調子が悪い時の適量は異なりますから、ぎりぎり適量のところで収まっていたとしても再発するリスクはつきまといます。

これが多剤だとしたら、さらにややこしくなります。

なぜなら薬同士が影響を及ぼし合うからです。

正確には薬同士と言うより、薬を代謝する酵素の影響が大きいのですが。

ある薬を減らしたり、中止したりすると、別の薬の血中濃度が上がったり、下がったりする可能性があり、それが2つ、3つと増えると、もはやどれがどう効いているのか訳が分からなくなります。

それにより脳内のホルモンバランスが崩れてしまいますから、脳にとって非常にストレスフルな状況になることが想像されます。

血中濃度が高くなり過ぎて副作用が出ても困りますし、低くなり過ぎて再発しても困ります。

薬を減らすのはリスクを伴い悩ましいことがありますが、こわいながらも減らしゃんせ、と行きますかどうか。

 

障害か、個性か

セサミストリート」に自閉症のキャラクターが登場

提供元:HealthDay News

 

米国の長寿子供向け番組「セサミストリート」。

日本ではいつの間にかテレビ放送として見かけなくなってしまいましたが、愛嬌のあるキャラクターや関連グッズは街でよく見かけます。

米国のテレビドラマでは性別、人種への配慮がなされていることは有名です。

たとえば白人男性ばかりが出演することないようアジア人、黒人、女性などを含めバランスを考えキャスティングされています。

そしてセサミストリートでは、なんと自閉症という心の障害を抱えたキャラクターが登場しました。

障害と言われると一般的には触れられたくない、触れたらいけないという空気が漂っています。

しかし、障害というのは病気とは違って、社会状況により障害になります。

いや障害にさせられてしまいます。

たとえば世の中がほとんどフラットでバリアフリーならば歩けないことが障害にはなりません。

メガネやコンタクトレンズが普及している現代では、視力障がい者は自分が障がい者であるという自覚はないでしょう。

自閉症もコミュニケーションが取れて当たり前と社会がみなせば障害となりますし、引きこもりOKの社会なら障害にはなりません。

金子みすゞさんの「みんなちがって、みんないい。」を思い出します。

 

 

 

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ベンゾジアゼピン系への包囲網

睡眠薬依存、注意の改訂指示 厚労省

 
2017年3月22日 (水)配信朝日新聞
 
数年前から、外来で処方される向精神薬の数が制限されるようになりました。
しかも違反すると減収というペナルティがあるのです。
精神科医にとっては、収益に直結する強制性を持つ、非常に画期的な出来事だったと思います。
さらに昨年からは、その数が抗精神病薬抗うつ薬についてさらに減らされています。
このたび厚労省は、製薬関連団体に対して、ベンゾジアゼピン(BZ)系という薬に対して、「承認用量の範囲内でも、薬物依存が生じる。漫然とした継続投与による長期使用を避けること」などと使用上の注意に明記することを求めています。
対象となる薬はなんと44種類もあるそうです。
徐々に、そして確実にBZ系への包囲網が狭まりつつあります。
長期に使用して依存は生じてないですか?今一度ご確認を。