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「向精神薬処方適正化宣言」病院のブログ

広島県廿日市市にある精神科病院、友和病院院長が管理してます

その症状、勘違いしてませんか?

薬の話

しばしば患者さんからお聞きするエピソードです。

「こないだ薬を飲み忘れたんですが、そうしたらドキドキしたりめまいがしたりして、急に不安が強くなって気分が悪くなったんです。

 やっぱり私は薬を飲み続けないと病気が悪くなるんですね。」

ちょっと待ってください!

病気や薬の種類、ストレスの度合いなど条件にもよりますが、理論上、1回もしくは1日くらい薬を飲み忘れたからと言ってすぐに病気が再燃するなどということは考え難いです。

ひょっとするとそれは、「離脱症状」と呼ばれるものかもしれません。

つまり体が薬物依存の状態になってしまっており、ちょうどアルコール依存症でアルコールが体から抜ける時に汗が出たり、震えたりという離脱症状が出るのに似ています。

治療を受け始める前の精神症状が出るというより、自律神経に関係した症状が出やすいです。

人によっては感冒に似た症状だったりします。

ある一定の濃度で薬の血中濃度が保たれていて、それが長期間続くと、いつの間にか体にとって普通の状態になってしまい、むしろ薬がないことの方が体にとって異常な状態になってしまうのです。

この状態は通常1,2週間断薬することで元の状態に戻りますが、人によってはもっと長引きます。

その間、苦しい思いをする羽目になるかもしれませんが、その苦しみを軽減する上手な減らし方もありますので、勝手な減薬、断薬はせず、専門家に相談しましょう。

 

 

 

風邪薬のことですが

薬の話

今年はどうもインフルエンザの流行が早そうです。

それとどうもインフルエンザとは別に、微熱や咳が出る軽い感冒の方を多く見かけます。

まめに手洗い、うがいをして、お互い気をつけましょう。

 

咳や鼻水が出てしまうと「かぜをひいてしまった、とりあえずかぜ薬をもらっておこう」と思いがちです。

でもちょっと待ってください、それ本当にかぜですか?

患者さんの中には毎回の診察でかぜ薬を下さいと要求される方がおられます。

でもそんなにいつもかぜをひいているということがあるでしょうか?

ひょっとしたら何かアレルギーをお持ちかもしれません。

一度そういう視点で診察してもらいましょう。

 

それと実は、かぜ薬にも依存があるのです。

かぜ薬は眠気を催すことがあるので注意が必要ですが、逆にそのぽあーんとする意識状態が癖になってしまう人がいるようです。

これはかぜ薬の不適切な使い方です。

かぜ薬が手放せない方はご注意を。

 

たくさんの薬を長期に渡り飲み続けると、病気が増えることがあります

薬の話

「先生、調子悪いんです」「それじゃあお薬でも出しておきましょう」

よくある会話です。

「先生、まだ調子悪いんです」「それじゃあお薬を追加してみましょう」

そうやっていつの間にかお薬が増えて行きます。

 

長期に渡り向精神薬を服用すると依存を生じるばかりか、薬の種類によっては「過感受性精神病」という別の病気を作り出してしまうことがあります。

これは脳で薬が作用する部位である「受容体」と呼ばれるものが、服薬する前より増え、薬に対して敏感に反応してしまうようになった状態です。

こうなってしまうと少し薬を減らしたり、飲み忘れたりしてもすぐに症状が悪化します。

ここでよくある勘違いが、「薬を減らしたから元々の病気が悪くなってしまった、私は薬が手放せないのだ」と短絡的に思ってしまうことです。

さらに厄介なのが、薬の量を元に戻してもなかなか症状が改善しないことです。

以前に飲んでいた薬の量より増え、さらにそのことで過敏性が強まり、最終的には薬が効かなくなるというような悪循環を生み出します。

いくら薬を増やしても改善が乏しい「治療抵抗性」と呼ばれる病状の方の中に、少なからず過感受性精神病の方が含まれていると言われています。

 

なので薬を自己判断で勝手に中止することは非常に危険な自殺行為です。

薬を減らしたい時、やめたい時は、主治医、専門の医師に必ず相談しましょう。